無料塾「ひばり学校」

相模原市南区に誕生した無料塾「ひばり学校」のブログです。

社会など暗記科目の勉強法(その1)

けっこう意外だったのですが、実は「社会が大嫌い」という中学生の生徒が思いのほか多いです。私のまわりだけ?
「教科書読んで覚えりゃいい」なんて無責任に言ったこともありましたが、彼らの様子を見ると結構深刻な様子…。何しろ、勉強しなきゃならない科目はたくさんあります。「社会以外は楽勝なのに」なんて豪語できる人はそういません。
それならばと思い、社会を筆頭とする暗記科目はどう勉強すればいいのか、改めて考えてみました。

社会が暗記科目だなんて誰が決めた?

そもそも社会科は、本来は暗記科目じゃありません。歴史が好きな私にとっては、社会科が暗記科目の筆頭みたいに扱われることが不満で仕方ないのですが、少なくとも現行の中学社会科においては、暗記科目であるのは動かしがたい現実です。(まったくもう。ぶつぶつ…)
単なる暗記科目となってしまっている以上、興味を持てない子がひたすら教科書を読んで語句を覚えるのは苦行でしかありません。「そんなのやめちまえ」って思います。
暗記であっても、「少しは楽しく」覚えられるようにしましょう。

教科書の内容は全て『理解』しよう

学校や塾で渡された穴埋めプリントを、ひたすら数をこなして覚えようとする子がいます。でもそれでは、違う角度から出題されたらもうお手上げです。例えば鎌倉時代。『承久の乱』という戦がありました。1221年に後鳥羽上皇が朝廷の勢力を挽回するために、幕府を倒そうと兵を挙げた戦いです。プリントに「後鳥羽上皇が鎌倉幕府に対して起こした戦いはなにか」という問いと「承久の乱」という答えが書いてあったとします。それを覚えても、実際の入試に「源実朝の殺害後、朝廷が勢力挽回のために起こした戦いはなにか」という問題として出てきたら、同じ答えでも正解できないことになってしまいます。

まずは覚える前に、教科書の内容を全て理解することから始めましょう。大事なことは「全て」理解することです。この段階ではまだ暗記しなくて構いません。実は社会嫌いの生徒はこれができていないことが多いです。
たとえば、『承久の乱を起こした上皇はだれか』という問題。『後鳥羽上皇』を答えられたからといって安心してはダメです。
ここで中学生にクイズを出します。「上皇ってなに?」
持っている教科書や参考書に説明が書いてあったら、それを理解すればいいでしょう。「天皇の譲位後の称」とか「太上(だいじょう)天皇の略」と書いてあるかも知れません。「ああ、天皇が位を譲った後の尊称なんだな」って理解すればいいです。
教科書に説明が書いてなかったら?社会大嫌いな生徒はまず間違いなく調べていません。上皇の意味がわからないまま「承久の乱=後鳥羽上皇」「年は1221年」という言葉だけを覚えます。
 
意味がわからない言葉があちこちにある文章を、ただ覚えるだけ覚えて、それを入試の日まで脳からこぼれ落ちないように詰め込む努力なんて、人生の無駄以外のなにものでもありません。というより、そんなのつまんないでしょ?私なら絶対に耐えられないです。
教科書に説明があるかどうかに関係なく、自分で説明できない言葉は全部調べましょう。教科書に載っていなければ国語辞典を引けばよいです。教科書の文章が全部わかるまで、用語は調べてください。
 
ここで「いま話題になっている生前退位と関係あるのかな」「今は生前退位がなくなって、この時代はあったんだ。止める必要が何かあったんだろうか」なんて考える人がいたら、とても素晴らしいです。Very good!です。その人はいずれ歴史の面白さと真の意味について知る日が来るかもしれません。

さて、まずは「教科書を『理解』しよう」という話でした。 
次回は「ノートの取り方」編です。 

中高生のかたへ。「勉強の意味」とは?

いきなり聞きますが、みなさんは何のために勉強していますか?「いい成績をとりたい」「志望校に受かりたい」「親に言われるから」「将来のため」などなど。いろいろあると思います。

じゃあ、受験しなくても進学できる、勉強しなくても誰からも文句言われない、ってなったら?「勉強するわけないじゃん」って返事が聞こえてきそうですね。

でも本当にそうですか?試験がなかったら、勉強する意味なんてないと言えるでしょうか。

 

数学の苦手な生徒の中には「関数なんて勉強しても、大人になって使う場面なんてないでしょ?数字の計算だけできれば問題ない」という言い方をする人がいます。漢字が苦手なある生徒は「漢字を勉強する意味がわからない。漢字なんて読めればいい。ひらがなで書いてもちゃんと意味は通じるでしょ」と私に言いました。本気で言ってるのか?と思いましたが、本人はいたってまじめに言っています。

 
「勉強する」とは「可能性を広げる」こと
 

そう言う生徒たちに答えるとき、「学ぶこと」の本当の意味は「世界を広げること」だと私は言います。別の言葉で言えば「可能性の拡大」です。

資格を必要とする仕事は試験に合格しなければスタートラインに立てません。資格に関係なくても、仕事に取り組む際、数学的なものの考え方を必要とするときはあります。国語力がなければ仕事の文書を読めません。なにより、一定の知識を必要とする会話に加われません。自分が望まなくても、付き合える人たちが限られてしまいます。

 

出身校に関係なく、全力で勉強した経験は必ず将来自分を助けます。そう、「必ず」です。私は50歳になりますが、何人もの同年代の知人が次のようなことを言います。
 

「自分は子どものころ真面目に勉強してこなかった。今になってつくづく思う。あのときもう少し真剣に勉強していればよかった」
 

みな一生懸命人生を生きてきて、それなりにみな結果を出して幸せな人生を送っている立派な大人たちです。社会に出てから、関数や英文法の知識を求められて困ったことは、たぶんなかったはず。それならなぜ、ずっと昔の学生時代に勉強しなかったことを今更悔やむのでしょう?

みな人生経験で知っているのです。社会生活に直接関係なくても、勉強することで人生の幅が広がることを。誰もが人生の中で自分の壁にぶつかるときがやってきますが、学生時代に勉強しておけばもっと試せた可能性があったことを。

 

中高生のみなさん、学ぶことの基礎になる学科の勉強は、学生時代を過ぎてからやろうとしてもほとんどチャンスはありません。今しかないのです。今にしか与えられていない、勉強というすばらしい権利をぜひ存分に使ってほしいと、私は強く願っています。

無料塾をはじめました!

相模原南区で無料塾「ひばり学校」を始めた木谷(きや)といいます。

第1回目なので、私の自己紹介と、「なぜ無料塾なのか」ということを書きます。

 

私はサラリーマン生活を25年くらい続け、2年前から塾講師や家庭教師を始めました。塾は普通のチェーンの個別指導塾です。家庭教師は個人で始めました。長い間教育とは無縁な世界で働いてきたので、教育の世界は新鮮でした。子ども相手の仕事であり、直接子どもたちの成長に関われるというのが魅力です。教え子が成績を伸ばして、志望校に無事合格したという知らせを聞く喜びは、もしかしたら生徒当人よりも大きいのではとすら思えるくらいです。

 

無料塾を知ったきっかけ

家庭教師の生徒獲得のために、無料の勉強会を、区内の団地の集会所を借りてやりました。そこで経済的な理由で子どもを塾に通わせられないという保護者に会いました。そういった家庭に出会ったのは三度目でした。もしかしたらこういった子どもたちは結構たくさんいるのではないか、私はそう考えました。そして調べてみました。
 

結果、格差社会が教育格差に繋がっていて、それが進行していること、脱ゆとり教育により子どもたちの学習習熟度にも格差が広がっていること、行政は生活保護世帯など福祉の切り口でないとなかなか手が出せずにいること、などの実態を知ったのです。いくつかのデータを組み合わせて自分で出した試算は、私の住む相模原市南区だけで2000人以上の小中学生に学習支援が必要というものでした。

 

調べていくうちに私は恐ろしくなってきました。「このまま彼らを放置して保護者の責任と言ってしまえば楽だが、そうすると30年後の日本はどうしようもない社会になるのではないか」と思いました。「なぜ誰もやらないのだろう?」とも思いました。

相模原市緑区に「無料塾」という存在があることを初めて知り、早速見学に行きました。無料塾「みのり塾」です。
http://sagamihara-minori.jimdo.com/
代表の小布施さんがかつて講師をされていた八王子の「つばめ塾」にも行きました。
http://hachiojiswallow.com/
先輩無料塾の話を聞く中で、「自分がやることはこれだ」という思いが強く強くなっていきました。「南区で誰もやっていないようなら、自分がやればいい」と考えました。

こんな経緯で、無料塾を作ることにしました。
まだ生徒さんも、講師のかたも全然足りません。全てはこれからです。 
地域のみなさんの力が必要です。
まだ力はありませんが、勉強したいと思っている子どもたちのために、全力で取り組んでまいります。

 

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